Skip to Content

OCW-G1100

― 商品企画 編 ―

製品開発の指針となる プロダクトコンセプトは どのように生まれたのか。
OCW-G1100誕生に 至る経緯に迫ります。

先進と独創が生んだ
フルメタルGPSハイブリッド電波ソーラー。

—— 2015年10月、新しく登場したオシアナスOCW-G1100とはどんなモデルなのか。 商品企画を担当した田部さんにお話を伺いました。

 田部: OCW-G1100は、フルメタルGPSハイブリッド電波ソーラーの第二弾として開発されたモデルです。
前作のOCW-G1000と同様、GPS衛星電波と標準電波の両方の電波を受信でき、消費電力を抑えながら、世界中の正しい時刻に修正できる、というのが最も大きな特長です。
今回のモデルでは、さらなるユーザビリティの向上に加え、ブランドアイデンティティであるオシアナスブルーの新たな表現にも挑戦しています。

—— 企画段階ではどのような構想があったのでしょうか。

 田部: まずは、OCW-G1000の後継機種として、機能面でどう進化させるか。
ユーザーに求められているものは何か。そのあたりの考え方をまとめ、解決するべき課題を明確にしました。
メタルアナログウオッチというジャンル、とくに競争の激しいGPSモデルのなかで、このモデルの優位性をどうアピールしていくか。
オシアナス、ひいてはカシオというメーカーの開発姿勢が問われる重要な問題です。
 
一方、オシアナスには様々なラインアップが存在します。そのなかで、GPSモデルとしての独自性をどのように確立し、育てていくかということも大きな課題でした。
一般のユーザーには、一見同じに見えてしまいがちな商品ラインアップのなかで、GPSモデルならではの個性を、目に見えるデザインという形で表現する必要がある。
 
競合他社に対する優位性を押し出しつつ、ブランド内での差別化も図るという目的。
そしてそれを、機能面、デザイン面にどう落とし込み製品として形にするか。
戦略部、モジュール開発、デザイン、外装設計など、各部署と連携を図り進めていきました。

商品企画部:田部 宏和商品企画部:田部 宏和

—— 独自性を出すために、機能とデザイン、両方の進化を目指したということでしょうか。

 田部: そうですね。ユーザビリティを追求しつつ、デザインとの融合を図る。
その際、オシアナスとして培ってきた根幹部分を受け継ぐことも忘れてはいけません。
 
そもそもオシアナスには、エレクトロニクス技術でアナログの表現を追及するという原点があり、そこから独自の進化を続けてきました。
針もモーターによるデジタル駆動です。その過程のなかで、ボタン操作だけでなくりゅうず操作を取り入れたり、モーターの数を増やして針の表現の幅を広げたりしてきた。
現在、その頂点に位置するのがGPSハイブリッド電波ソーラー。OCW-G1100では、こうした流れを意識しながら、その進化を先に進める必要がありました。
 
また、デザイン面でも、オシアナスブルー、チタンケース、クロノグラフフェイスなど、ブランドの財産として受け継ぐべきものは多い。
原点と進化が共存するなかにこそ、ブランドの本質や価値があるのだと思います。

オシアナスの 歴史を彩る マイルストーンモデル

OCW-500記念すべき
オシアナス初代モデル
OCW-500(2004)

OCW-S1000マンタ
初代モデル
OCW-S1000(2007)

OCW-T1000スマート
アクセス搭載
OCW-T1000(2010)

OCW-G1000フルメタルGPS
ハイブリッド電波ソーラー
OCW-G1000(2014)


OCW-G1100で実現した
新たな機能進化とは。

—— 機能面の進化にはどのようなものがありますか。

 田部: もともとカシオには、ハイブリッド電波受信システムという他社にはない強みがあります。GPS衛星電波は、屋外の開けた場所で受信させる必要がありますが、カシオなら標準電波受信にも対応しているので、屋内にいても窓際などに置いておけば夜間に自動受信でき、消費電力をおさえられる。しかも、サマータイムも自動で設定してくれます。また、この強みを活かすため、2つの都市の時刻を同時に確認できるデュアルダイアルワールドタイムという機能にも力を入れてきました。
 
OCW-G1100では、その優位性に磨きをかけるため、ユーザビリティの追求にとことんこだわりました。ひとつが、ワンプッシュ都市入替機能です。簡単なボタン操作で、メインダイアルとインダイアルの時刻を入れ替えることができ、海外へ行くときに重宝する機能です。

OCW-G1100

—— 使い方を具体的に教えてください。

 田部: たとえば、東京からニューヨークへ行く場合。現地に到着してから、右上のボタンを押します。
そうすると、メインダイアルに表示されていた日本時間が、6時側のインダイアルに表示されます。
次に、右下のGPSボタンを押します。
GPS衛星から位置情報と時刻情報を受信し、メインダイアルの時刻がニューヨーク時間に修正されます(インダイアルは日本時間のまま)。
今までインダイアルは、時刻表示する都市をりゅうずでセットしなおす必要がありましたが、ワンプッシュ都市入替機能により、この手間がなくなりました。
しかもカシオは、サマータイムのアジャストまで自動で行うので、その場所がサマータイムのエリアか、そして時期はいつなのかを調べてマニュアル修正する必要がなく、非常に便利です。(2015年7月現在データ)
 
また、インダイアルの表示も、24時間計から12時間計にし、より直感的に時刻が確認できるよう配慮しました。
これらの機能は、OCW-G1000では技術的なハードルが高く搭載できなかった。OCW-G1100でようやく実現できました。

—— 操作性と視認性が向上したということですね。

 田部: それだけではありません。OCW-G1100では、新開発のデュアルコイルモーターを搭載したのも大きな進化です。
これにより、6時側の針を高速駆動させることが可能になったため、よりすばやく時刻を表示することができるようになりました。
さらに、針のスピードに緩急をつけることもでき、情緒的な動きもプラスされています。
機能をエレガンスに表現するという意味では、実にオシアナスらしい進化だと思います。


今までにない個性を生み出した
革新のデザイン。

—— 続いて、デザイン面では、どのような進化がありましたか。

 田部: デザインは、“AIRGLOW”という新たなコンセプトのもと、サファイアガラスベゼルを採用し、地球を包み込む大気光をイメージしたブルーと、宇宙のブラックの2色を配しました。針軸にも再結晶ブルーサファイアをあしらうなど、高度な技術で素材の持つ上質感を最大限に引き出し、GPS機能を持つモデルにふさわしいグローバルなイメージと、先進的なテクノロジー感を前面に押し出しています。

OCW-G1100サファイアガラスベゼルに 蒸着された 美しい青が 目を引く外装デザイン

—— はじめてこのデザインを目にしたときの印象は。

 田部: さきほども話した通り、オシアナスのデザインは歴代のモデルから継承されてきた要素が多く、似通った表情になりがちです。そのなかで新しいデザインに挑戦するのは並大抵のことではありません。しかし、OCW-G1100は、今までのどのモデルとも違う存在感を主張しつつ、それでいてオシアナスならではの雰囲気も醸し出している。ハイエンドモデルとしてのクオリティも申し分ないと思える自信作です。ファーストインパクトは圧倒的でしたね。
 
時差表記と連動させ、ベゼルを青と黒の2色で色分けした点も、オシアナスが目指す機能美とマッチしています。単に見栄えだけの理由でデザインすることもできますが、ひとつひとつの色や造形に意味があると、ユーザーに対する大きな説得力になります。それがプロダクトの信頼性にもつながる。使い勝手も含めて、細部まできめ細かく作り込むという日本ならではのものづくりの考え方も、オシアナスらしいといえばオシアナスらしい。

—— 限定モデルでは、ベゼルの色が違いますね。

 田部: 限定モデルには“AUROLA GREEN”というカラーテーマを設定しています。宇宙から見たオーロラをイメージしたものですが、見る角度によって表情を変えるグリーンとブルーが印象的ですね。さらに、時字にゴールドを、針軸に再結晶エメラルドをあしらい、スペシャル感のある仕上がりになっています。
 
こうした限定モデルも、キーコンセプトの“AIRGLOW”を軸に初期段階から企画し、モデル全体のラインアップバランスを検証しながら、デザイン化していきます。
 
また商品企画では、機能とデザインの進化がきちんと価格に見合っているかどうかなども視野に入れつつ、決められたスケジュールの中で製品化を実現していくことが必要です。企画のスタートから発売までつきっきりになることも多いですね。OCW-G1000の後継機種として認められる商品を企画し、チームと連携して開発を推進していくのは、大きな重圧でした。

—— そのぶん愛着もあるのではないですか。

 田部: もちろん愛着はあります。現時点でできるすべてを出し切った作品といっていいのではないでしょうか。世界を舞台に活躍する人に、自分らしさを表現できるアイテムとして、実用性はもちろん、ステータスも兼ね備えていると自信をもっておすすめできるOCW-G1100。自分でも欲しいと思える一本になったと思っています。ユーザーのみなさんにもそう思っていただけるとうれしいですね。

—— フルメタルGPSハイブリッド電波ソーラーの第二弾として、
ユーザビリティやデザインという領域で、新たな可能性にチャレンジしたOCW-G1100。
今後、オシアナスの歴史を飾る代表モデルとして、多くのファンの記憶に残る一本となりそうです。
また、今回は商品企画という目線でOCW-G1100を紹介しましたが、
その完成度の高い製品づくりを支えた開発過程も気になるところ。
そこで次回からは、モジュールやデザインの開発秘話について、たっぷりとお届けしていきたいと思います。

OCW-G1100の詳細を見る


商品企画部 田部 宏和

商品企画部
田部 宏和

ブランドの立ち上げから約20年にわたりBABY-Gの商品企画に携わった後、OCW-G1100からオシアナスの商品企画を担当。毎日が試行錯誤の連続というものの、オンオフの切り替えはしっかりするタイプ。休日は好きなお酒が心の友。思い入れのあるモデルはもちろんOCW-G1100。「たくさんの方に体感してもらい、喜ぶ顔が見られればうれしいです」とのこと。