

様々なことが新しくスタートする新年度。ビジネスの場においても新入社員の入社や新規プロジェクトの立ち上げ、組織変更など様々な変化があることだろう。心機一転、仕事を前進させるためのアイテムとして今回スーツに着目し、その存在意義について考えてみたいと思う。
ビジネスマンにとって自己を表現する上で、重要な役割を持つスーツ。それは腕時計同様、身に着けるもの一つで印象や信頼を与えるものである。
「イタリアに行った時にまず驚いたのが、スーツを着て電車に乗っている人があまりいないことです。その反面、日本のビジネスマンはほとんどの方がスーツを着ていますよね。日本人のスーツに対する概念って、どちらかと言うとこれまでは仕事着より“作業着”だったのではないでしょうか。私服では綺麗な格好をする人も、スーツに関しては作業着だし傷んでしまうから良いものは着ないでおこうという人が多かったのだと思います」。
そう語るのは、創業110年以上を誇る銀座最古のテーラー「髙橋洋服店」の高橋翔氏。ローマでの3年の修行を経て、現在父親である4代目社長の下、裁断士として活躍している。
「ただここ最近、世の中でスーツに対する考え方が変わってきた様に思います。電車乗っていても、スーツを着ている人は減った気がしますし。そういった意味では、良質なものは残っていって、あまりにも低価格で大量生産品みたいなものは淘汰されていくかもしれませんね。買うからには長く着られる良質なものがいいと思っていただけると。これからはそれが徐々に転換していき、一張羅を持つようになっていったら嬉しいです」。
特別な一着に袖を通して気持ちを引き締めると、普段見えている景色さえも変化させてくれるスーツ。
「普段スーツを着ない職業でも、結婚式などの時にはビシッと決めてくる方っていますよね。それって、実はスーツの力をすごく信じていることだと感じます。例えば仕事でも、今日は何もないけどスーツを着て行こうかなと思う日があってもいいと思いますし、逆に会社からスーツじゃなきゃダメだと言われて嫌だと感じながらもしょうがなくという方もいるのではないでしょうか。つまり大切なのは、着せられるのではなく“自らが選択して着ている”という気持ちなのだと思います」。
5代目となる取締役・高橋翔氏
ここ10年くらいで、ちゃんとしたスーツを一着欲しいという若い人が少しずつ増えている印象があるという。では、どんなスーツを選べばいいのだろうか。
「ブルーが印象的なOCEANUSは、普段使い+ビジネスカジュアルなシーンに物凄く合っていると思います。ビジネスの場で一番基本となるスーツの色味は、紺無地なので。ただ新入社員が初めから明るいブルーのスーツで出社するのはあまり宜しくないと思います。20代のうちは青みがかった紺とかにしておいて、30代になったら少し明るめに、40代になったらもう一度ベーシックな紺に戻るか、少し光沢のある紺などがいいのではないでしょうか。それによって、OCEANUSのモデルを変えていくのもいいかと思います」。
同じブルー系でも年代別に違う色味を選ぶことを教えてくれた高橋氏。ここでもう一歩踏み込んでプロフェッショナルが見立てる、各年代別に見合ったスーツの色味やネクタイ、シャツの合わせ方。そしてその装いにマッチするOCEANUSを意識しながらコーディネイトしていただいた。
20代:フレッシュな新入社員〜自立が求められる若手社員
時計:Classic Line「OCW-T2600-1AJF」
「『基本の基』として、最初の一着は弊社オリジナルのオーソドックスな紺無地の生地(服地)がいいのではないでしょうか。トーンは少しだけ明るめ。政治の場における首脳会談などをみても、ほとんどの方が紺無地を選んでいるのが分かるように、ことビジネスの場で考えると至ってしっくりと来ると思います。当然、新入社員に当てはめて考えた時にも丁度いい色味具合です。スーツの形は2つボタンのシングル、シャツはレギュラーカラーの白無地シャツ、ネクタイは同系色の落ち着いた雰囲気のものを選ぶのをおすすめします。やはりそれがビジネスの場での基本の着こなしだと思います」。
30代:発言権を持ち責任が与えられた中堅社員
時計:CACHALOT「OCW-P2000-1AJF」
「20代に選んだ紺と比べて、少し光沢のあるものになります。光沢がある分、華やかな印象を与えるので、中堅社員として活躍する30代の方に合う色味として選びました。なので、若手の方が着るにはあまりおすすめしません。実際に着てみると、遊びも効いていて、ちょっとドレッシーな感じになりますので、ビジネスシーンだけでなくディナーに出かける際などにも着用してもらえるかと思います。この色味に合わせるシャツは薄めのブルーやピンクがいいかもしれません」。
40代:経験を積んで組織をまとめる管理職
時計:Manta「OCW-S5000E-1AJF」
「年齢を重ねるにつれ、着られる色の幅も広くなると思います。そこで華やかな方に振るのもいいですが、あえて落ち着いたベーシックなものに立ち返るのもいいかもしれません。そこで提案するのが、シックな印象を与えるチャコールグレーです。シャツは大事な会議などには白、それからOCEANUSに施してあるブルーに合わせた薄いブルーからピンクまで様々な色味と相性がいい色です。またネクタイもえんじ色などを合わせると、若い方には出せない雰囲気を演出できるかと思います」。
色味が持つ印象の変化は大きい。逆に言えばその色味を効果的に利用すると、スーツが与えてくれる見えない力はより大きなものになる。新しい生活スタイルによってビジネスの場での装いも変わりつつある今だからこそ、自身のスタイルをさりげなく主張することが必要なのではないだろうか。
一張羅のスーツとその袖口から覗くOCEANUS。それは長きにわたって身に着けることができる、自分だけの相棒となることであろう。
Text: Tatsuya Nakamura |
銀座 髙橋洋服店
1903年創業。政治家や文化人など数多くの著名人の服も仕立ててきた、銀座で一番古い注文洋服店。常に数百着分の生地を取り揃え、代々受け継がれるその技術は最高峰と称されている。フルオーダー上下の価格(服地代込)は30万円程度からであるが、髙橋洋服店の着心地はそのままにもう少し手頃な価格のグリーンレーベル(手作業+工場縫製)も存在する。価格は上下(服地代込)で18万程度から。
所在地:東京都中央区銀座4-3-9 タカハシ クイーンズハウス 3F
TEL:03-3561-0505
営業時間:平日 11:00〜19:00 / 土曜 11:00〜18:00(定休日:日曜・祝日)
http://www.ginza-takahashi.co.jp/
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