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OCEANUS Style Magazine
BLUE MOTIONS

Living for a lifetime with OCEANUS

OCEANUSを支える アフターサービス

愛用するOCEANUSをいつまでも美しく、より長く快適に使いたい…。ユーザーであれば、そう願うのは皆同じだろう。
しかし、先進テクノロジーを駆使して絶対精度や絶対品質を追求するOCEANUSであっても、電子機器である以上、万一の不具合発生はどうしても避けることができない。
そんな不具合や故障を未然に防ぐために、点検やメンテナンスをおこなう『あんしん点検パック』という専用のアフターサービスが存在することをご存じだろうか。
今回のBLUE MOTIONSでは、東京都武蔵村山市にある「東日本修理センター」を訪れ、実際に点検作業をおこなう担当者たちに話を伺いながら、このサービスの全貌に迫ってみた。

修理とは違う、『あんしん点検パック』

点検作業をおこなう、プレミアムブランド専用ライン点検作業をおこなう、プレミアムブランド専用ライン

時計修理技能士2級以上の技術者が在籍。一つの時計につき、一人が最後まで担当する時計修理技能士2級以上の技術者が在籍。一つの時計につき、一人が最後まで担当する

「元々は2007年に、OCEANUSをはじめとしたプレミアムブランドの“基本修理に特化するサービス”というところからスタートしました。しかしその時点ではまだ、所謂オーバーホールというサービスまでは行き着いていませんでした。ご購入いただいた皆様に“より安心して使っていただきたい”という想いを実現するため、2014年に『あんしん点検パック』が立ち上がりました」。
そもそも電池とモーターで動くクオーツ式のOCEANUSがオーバーホールをする必要があるのか、そう思う方々もいるかもしれない。しかし機械式同様、歯車で動かしている以上、長年のご愛用で、電池の減りが早くなったり、精度が安定しなくなるといった不具合が起こる可能性がある。
起こってからではなく、起こる前に点検、そして予防する。『あんしん点検パック』は、言わば“時計ドック(人間ドック)”的な役割を担っているのだ。

時計に一番変化が生じないとされる室温25度に設定し、クリーンルームと同等の空気清浄度を確保した環境下で作業時計に一番変化が生じないとされる室温25度に設定し、クリーンルームと同等の空気清浄度を確保した環境下で作業

針の動きのちょっとした変化にも気付けるよう、同じ向きに並べられる針の動きのちょっとした変化にも気付けるよう、同じ向きに並べられる

ハイクオリティを誇る充実の点検内容

『あんしん点検パック』の対象となるのは、OCEANUSを含め、山形カシオが誇る生産ライン「PPL(プレミアム・プロダクション・ライン)」で製造されたモデルを中心とした4ブランドモデルのみ。主におこなわれる作業内容は、“時計内部の点検”と“外装の洗浄”という、大きく2つの項目に分かれる。
時計が修理センターに到着したら、最初に針の動きや各機能の点検、バンドの傷み具合、プッシュボタンの動き、ケース・ガラス・裏蓋などの状態を入念にチェックする外観確認がおこなわれた後、実際の点検作業がスタートする。

運針検査運針検査

オシロスコープを使い、運針時の波形の乱れを計測オシロスコープを使い、運針時の波形の乱れを計測

「まず内部に関しては、時計の機能として重要な部分である運針検査をおこないます。この検査は、電気的な信号をスクリーンに表示する“オシロスコープ”を使って、運針時の波形を確認し、乱れがないかを確認させていただいています。それと、基盤の消費電流値やケース内のボタンに腐食がないかなど、細かな点も点検します。通常ラインの時計と比べ、PPLのモデルはモーター類が多く、どこにどれくらいの時間を掛けるかという問題もあるのですが、時計の要、中央3針はメインの検査になります。時間が掛かる検査でもあるので、波形の確認をしている時間は、並行して他の作業もおこなっていきます」。
他にも、基板の精度や充電池の劣化確認、文字板や針の蓄光性能、アンテナの受信感度、ソーラーセルの発電量、モーターの動作電圧範囲を検査するなど、より豊富な項目で時計内部の状態を確認している。

測定器を用いて磁気を確認。磁気の残留がある場合は脱磁をおこなう測定器を用いて磁気を確認。磁気の残留がある場合は脱磁をおこなう

消費電流検査消費電流検査

熟練した技術が必要な針打ち工程熟練した技術が必要な針打ち工程

時計の“エステティック”、外装洗浄

日常使用していく中で、汗やホコリなどの付着によって、知らず知らずのうちに驚くほどの汚れが蓄積されていく。傷もまた然りである。そんなユーザーの悩みを解決してくれるのが、外装洗浄だ。

分解されたOCEANUS。バンドはバンドピンを抜き、駒に分解して細部まで洗浄分解されたOCEANUS。バンドはバンドピンを抜き、駒に分解して細部まで洗浄

「まずボタンを一つひとつ外して、丁寧に洗浄をかけます。続いて防水性を保つため、全パッキンの交換。バンドに関してはメタルバンドが主流になっていますので、一駒ずつバラバラにし、中のシーリングとピンを全て交換させていただいています。また消耗部品についても全て交換させていただきます。中にはピンやボタンが錆びて固着しているものもあるので、そこをいかに外し切れるかが苦労する点でもあります。しかし部品交換にしてしまうと、どうしても費用面でお客様に負担がかかってしまうので、なるべくそれは避けたいという想いで作業しています」。

ケース洗浄ケース洗浄

ケースにはムーブメントが入っているため、超音波洗浄器は使わず手作業で洗浄ケースにはムーブメントが入っているため、超音波洗浄器は使わず手作業で洗浄

常にお客様第一という考えが、彼らの作業姿勢に染み込んでいるのがよく分かる。修理ではなく、そうならないための点検だからこそ、極力、ユーザーに負担を掛けないよう配慮しているのだ。

作業終了、そしてお客様の元へ

“末永く使いたい”というユーザーの想いを背負い、懸命にオーバーホールをする彼らの仕事。相棒のOCEANUSが手元に戻った時には、新品同様とまではいかないものの、それに迫るクオリティで仕上げてくれた努力は、ひと目見れば伝わるはずだ。
「お客様からの声が直接届きにくい部署ではあるのですが、コールセンターの方から感謝の声の報告が届くことがあり、それはとても嬉しいですね。それがやりがいに繋がっているところもあります」。
そこからまた、OCEANUSとともに長い年月を過ごし、再び『あんしん点検パック』に出してもらえたら、彼らにとってどんなに喜ばしいことだろうか。

最後にユーザーの方々へのメッセージをいただいた。
「頭についている『あんしん』という言葉の通りだと思うのです。外からも見ても綺麗。そして内部も点検したから、今後また安心して使える。我々も日々全力で、お客様のご希望に添えるように作業をし、仕上げていますので、定期的に『あんしん点検パック』にお出しいただくことで長くOCEANUSを使っていただけると、想いを込めています」。

思い入れがあって購入したOCEANUSをいつまでも大切に綺麗に使い続けたいのは、当たり前のこと。今後、末永く使い続けるためにも、ぜひ『あんしん点検パック』の利用を考えて欲しいと願う。現段階の受付方法は、販売店からの受付、CASIOのホームページ上からの登録、そして直接お客様から送っていただくという3つの方法となっている。

「点検は、ほとんどが手作業です」そう語る彼らの話、そして実際の作業風景を見て、点検もひとつの“物作り”であると確信した。OCEANUSを愛用するユーザーと点検する技術者、やはり最後は“人対人”である。こうした高い信頼性の追求が、OCEANUSというブランドを築き上げているのだ。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao