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OCEANUS Style Magazine
BLUE MOTIONS

Starting from Zero

オシアナス 誕生物語

それは、ある企画担当者の“何気ない気づき”から始まった。
遡ること2000年初頭、場所はヨーロッパ。
とある国への出張中のこと。

職業柄、腕元を見てしまう彼は、いつものように街を行き交う男性たちを見て、ふと思うのであった。

スーツを着こなすビジネスマン、カジュアルな格好でオフタイムを過ごすジェントルマン…。それぞれシチュエーションやスタイルは違うが、皆、腕元にはエレガントな時計を合わせている。本当にエレガントな時計は、オン・オフ問わず、身に着ける人の個性の一部となるのではないだろうか。

日本ではこれまで、仕事のときは自分の関わるビジネスに相応しい時計を、休日は好きなファッションに合わせて自分の趣味嗜好を表現する時計を、といった具合に、場所や雰囲気に合わせて時計も着け替えることが、“粋”とされてきた。もちろん日本にもスーツに映える高級時計はあるし、カジュアルな時計もある。しかしフォーマルとカジュアルの両方で身に着けることができる、本当に格好良いと思える時計は存在していなかった。

そんな時計を、国産でエレガントなアナログ時計を、カシオで作れないものか(いや、作るんだ!)。そんなことを考えながら、日本への帰路に就くのであった。

想いが形になった瞬間

一般的にエレガントなアナログ時計はケース、ムーブメント、デザイン、その全てを高次元で融合させているものを指す。では「0→1(世の中に無いものを創造する)」という開発思想を持ち、長年培ったデジタル技術に絶対的な自信を持っているカシオが考える、エレガントなアナログ時計とは。まずそれを定義づけることから始まった。

ケースやバンドには軽さと、素材としての安定性の高いチタンを使うこと。ムーブメントは“世界中で正確な時刻を取得する=絶対精度”を目指し、G-SHOCKで既に採用されていた標準電波受信機能とタフソーラーを用いること。デザインは、エレガンスをスポーティと位置づけ、「スポーティエレガンス」という独自のエレガント性を追求すること。
つまり、絶対精度を持った美しいメタルアナログ時計をMade in Japanのカシオが実現する。このデジタルとアナログの融合は、“時計の新たなジャンルを創造する”ことでもあった。やがてこの想いは会社を動かし、「Elegance, Technology」というコンセプトを掲げて、2002年にいよいよ「新時計(OCEANUS)開発プロジェクト」がスタートした。

しかしその道のりは容易ではなかった。そもそも金属は、電波を遮断してしまう。メタルでありながら充分な受信感度を確保できるまで、試行錯誤を繰り返し、2年という歳月を費やすこととなる。

こうして2004年に初号機『OCW-500』が誕生した。OCEANUSが世界で初めて「フルメタルクロノグラフ電波ソーラー」という、新たなジャンルを切り拓いた瞬間である。時計専業メーカーではないカシオだからこそできる、時計づくりの常識に囚われない冒険心と遊び心から生まれたOCEANUSのデビューは、当時センセーショナルなものであった。

一人の「気づき、想い」から始まった夢物語は、結果として多くの人に評価された。しかしOCEANUSには、すでに次の構想がスタートしていたのであった。この続きは、次号「オシアナス15年の歴史」で語ることにしよう。

Text: BM編集部 | Illustration: Alexander Illustrations (monstera deliciosa)