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BLUE MOTIONSNew Year 2019 issue
TRANSITION
変化する時代へ

Bohemian Rhapsody

愛に生きた男の物語 『ボヘミアン・ラプソディ』

テレビやCM等で誰もが一度は耳にしたことがある「We Will Rock You」や「We Are The Champions」をはじめ、数々の名曲を残してきた伝説のバンド“クイーン”。そのリード・ヴォーカルであり、史上最高のエンターテイナーと讃えられるフレディ・マーキュリーの半生を描いた映画、『ボヘミアン・ラプソディ』が空前の大ヒットを巻き起こし話題を呼んでいる。

数々の名曲とともに展開する、永遠の物語

2019年ゴールデングローブ賞では作品賞と主演男優賞の2冠を受賞、また2月末に開催されるアカデミー賞には5部門でノミネートされ受賞へも期待がかかるなど、公開前は誰もが予想しなかった名声を次々と手中に入れている『ボヘミアン・ラプソディ』。日本でも累計動員727万人、興行収入100億円を突破し、2018年公開作品興行収入ランキング第1位を獲得と、その勢いは未だに留まることがない。
ラミ・マレック演じる主人公のフレディ・マーキュリーが、クイーンの前身バンド・スマイルのライヴ後にメンバーに売り込みをかけるも、ベーシスト兼ヴォーカリストが脱退し、解散寸前だと知る。その場で彼らの曲をアカペラで歌いだした大きな前歯の男の歌唱力に衝撃を受けたメンバーが、フレディをバンドに迎え入れるところから物語はスタートする。そして、革新的な挑戦を続けることにより始まるサクセスストーリー。しかしその裏には、恋愛、メンバーとの確執、信用していた人間の裏切り、さらに彼を語る上で外すことのできないエイズとの闘病。栄光の影に苦悩する人間模様を、繊細に描写するヒューマニティな一面が、ここまでの大ヒットを呼んだキーなのだ。

そして圧巻は、クライマックスのライヴ・エイドでのステージの再現。パフォーマンスはもちろんのこと、後ろにあるアンプやタバコの吸い殻から、壁のペンキの剥げ方、水道管の錆びに至るまで、この映画のアドバイザーであり、フレディが亡くなるまでの12年間、彼のパーソナルアシスタントを務めたピーター・フリーストーンをもってしても「あれはデジャヴだった」と言わしめるこだわりようは必見。まさに魂に響くラスト21分で彼らは伝説になったのだ。

そんな中、『ボヘミアン・ラプソディ』をすでに10回以上も観た人物がいるという話を耳にし、是非この映画について語っていただこうと思い足を運んだ。
彼は、“真似をする人の周りの文化やその人自身を深く理解した上で、本人に限りなくなりきる人物”という定義を持つ、「インパーソネーター」という職業を生業とする、その名も“フレイディ”。20世紀FOXから正式にオファーを受け、『ボヘミアン・ラプソディ』のジャパンプレミア・パープルカーペットやPRイベントにも出演したという、筋金入りなのだ。
「映画を通して初めてクイーンを知った人に向けても、すごく分かり易く、そして興味を持ってもらえる作品だと思います。逆にクイーンを知っている方からすると、フレディ・マーキュリーが亡くなってから20年以上も経っているにも関わらず、いま、この映画が誕生したということが、ものすごく嬉しいことだと思うんですね。そして映画館という素晴らしい音響設備の中でライヴ映像を堪能できるというのは、刺激的なんじゃないかな。親子で観ている人も多いと聞きますしね。そうやって世代を超えて伝えていくことで、社会現象とも言えるべき現状になっているんでしょうね」。

フレイディ氏。パフォーマンス時に着用する義歯は、フレディ本人の歯の大きさや隙間を数々の映像から導き出し、専門家に製作を依頼したというこだわりようフレイディ氏。パフォーマンス時に着用する義歯は、フレディ本人の歯の大きさや隙間を数々の映像から導き出し、専門家に製作を依頼したというこだわりよう

「10回以上観ているのは、作品が素晴らしいから。 決して仕事のためではない」

さらにフレイディ氏は、この映画の魅力をこう語る。
「それと何と言ってもラミ・マレックの台詞の演技の声ですね。なんでこんなに似ている声が出せるんだろうと不思議に思ったくらいでした。あれこそ完コピです。そして最後のライヴ・エイドのシーンでのラミ・マレックの演技やリップシンクはもちろん、ブライアン・メイ役のグウィリム・リーの瞬きの仕方など、かなり細かいところまで再現されているのに気付いた時は、鳥肌が立ちました」。
実際にキャスティングの段階で、他のメンバーの役は決まっていたのに、フレディの役だけは数年間決まらなかったという話がある。ビジュアルを似させる事はメイクなどを駆使すればある程度可能な事だと思うが、声だけはそういうわけにはいかない。それほど製作陣がこだわった理由がこの大ヒットという結果に繋がっているのであろう。最後にこれから『ボヘミアン・ラプソディ』を観る方にメッセージをいただいた。
「『僕には可能性がある』と言う台詞が劇中にあるのですが、それって万人に共通する気持ちの持ち方じゃないですか。その言葉だけで、元気付けられ、もっと頑張ろうと思う人って少なくないと思うんです。単に、あるバンドとそのボーカルのお話という事ではなく、どんな人にでもある、生きていく上での楽しみや悲しみ、恋愛、出会いや罠。全ての要素が詰まった映画なので、きっと今後の人生で役立つ映画だと思います」。

まるでその場にフレディが存在しているような錯覚を受けるほど似ているフレイディ氏のパフォーマンスまるでその場にフレディが存在しているような錯覚を受けるほど似ているフレイディ氏のパフォーマンス

全ての事に「愛」を持って接するフレディ・マーキュリーという一人の人間の物語。激しく変化する時代の流れにより、ようやく我々は、彼の感性に追いついたのかもしれない。だからこそ、ここまで人を魅了し、共感されているのであろう。OCEANUSもまた、時代を先導し、新たな価値観を提唱し続ける存在であり続けるように。そう、本物が持つ力は時代を超越するのだ。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao (フレイディ氏撮影)

『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』

2018年11月9日(金) 全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2018 Twentieth Century Fox
http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/

予告編

Freiddie / フレイディ

伝説のバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーのリップシンクパフォーマーとして、全国のイベントステージで活動中。世界中で大好評の映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、20世紀フォックスからオファーを受け、ジャパンプレミアレッドカーペットやPRイベントにも出演。完全エアーパフォーマンスのなりきりショータイムは、観る人全員を盛り上げチャンピオンにさせる。出演情報は公式サイトまたは各SNSにて掲載。
公式サイト