

小説にSFというジャンルが存在するように映画の世界でも多くの名作SFがあり、最も人気のあるジャンルの一つと言える。近年ではその中でも“AI(Artificial Intelligence)”を主題とした作品が多く登場している。というか、必ずと言っていいほどだ。
古くはスタンリー・キューブリック監督の「2001年・宇宙の旅」(1968年)に登場するHAL9000が端緒かもしれない。宇宙空間での人間とAI=人工知能の闘いは、まるで人類の未来を予見するかのように静かに進行する。この映画の中ですでにタブレットPCが登場しているのも特筆すべき点だ。
人々の日常に登場するAIの代表とも言えるのが、スパイク・ジョーンズ監督の「her 世界でひとつの彼女」(2013年)だ。この映画では、主人公(ホアキン・フェニックス)とAIを組み込んだ声だけのOSとが恋に落ちる姿が描かれている。ただその先には予想だにしなかったストーリーが展開する。
このように映画で描かれるAIの発達した未来は、不安や脅威として登場することが多い。これは“シンギュラリティ”=“技術的特異点”と定義されるAIが、人間を超える現象を描くからだとも言える。つまりそれは、現代社会へのある種の警鐘として表現されていることがわかる。
ただ一方で、暴走を始める前のAIやコンピュータは人間社会や人間の能力をサポートする存在であり、豊かな未来の象徴としても登場するのだ。
その代表的な例としてよく語られるのが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年)。シリーズ3まで展開した通称「BTTF」の中に登場する、ウェアラブルコンピューター、音声認識、テレビ会議、指紋認証などなど、今では当たり前の技術的進化が登場し、当時の人々を驚かせた。
手元にあるスマートフォンを考えても、20世紀の映画では夢のような機械であったわけで、その多機能ぶりは、ほぼ当時のコンピュータを凌駕する性能を持っていると言っても過言ではない。
しかし、我々はシンギュラリティを心配するのではなく、いかに技術の進化と付き合うかを考えなければならない。それはAIに限らず、いかに技術的進化をコントロールするか、コントロールされないようにするかが重要ということになる。
OCEANUSが目指す絶対精度への追求は、“時”をどこまでも人類にとって必要不可欠なものとして、捉えている。時を知り、時をコントロールする。OCEANUSの技術革新は、どこまでも人間主体に進んでいく。持つ人の腕に刻まれる時間は、未来への通過点としての“今”を指し示している。
Text: Y.Nag |
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