Skip to Content
BLUE MOTIONSSummer 2018 issue
BLUE JOURNEY
時の旅

Emperor of the sea “Manta”

海の帝王 “マンタ” の魅力に迫る

海の神の名を纏うOCEANUS。そのモデル名には海の生物に由来するものもある。なかでも代表的なものが、フラッグシップモデルである『Manta=マンタ』だ。魚類最大級とも言われるオニイトマキエイの名称で、大海を優雅に泳ぐエレガントな姿、そしてその孤高の存在から、“海の帝王”とも呼ばれている。ブランドコンセプト「Elegance, Technology」を象徴するフラッグシップモデルは、そんなマンタのようであれという想いが込められている。

そこで今回、NEW Manta『OCW-S4000』の発売を機に、まだまだ未知な部分が多いマンタという存在について、「日本で最も多くのマンタに会うダイビングガイド」と称される市川正典氏にお話を伺い、その魅力について迫ってみた。

日本一のマンタ遭遇率を誇る沖縄の離島・石垣島で、ダイビングショップを経営する市川氏。13歳の時にマンタという生物の存在を知り、その10年後に初めてマンタと出会って以来、その魅力に取りつかれた一人だ。
「これまで何個体のマンタに会ったのか正確にはわかりませんが、2014年からマンタの個体識別を始めて、現時点で写真や動画に収めているのが200個体くらいです。石垣島周辺には、おそらく150~160個体のマンタが生息していると思います」。

今年は7月31日の時点で、すでに111個体に遭遇しているという。我々からすると、見分けることができるのかと思ってしまうのだが。
「マンタはお腹の模様がそれぞれ異なっています。この模様を見れば、1個体1個体を完璧に識別することができます。さらに石垣島周辺に生息するマンタにはそれぞれ、その模様から名付けられた名前があるのです。ちゃんと識別できると、なんだか友達になれたような気がします。『今日も元気そうだねぇ~』とか、『いやぁ~、久しぶりだねぇ~』とか、『あれっ、ケガしてない?』みたいな。ヘタしたらオタクの域ではありますが(苦笑)。だから、もはや“ただマンタに会う”という感覚だけではないんです。マンタをただマンタとして見ているだけなら、とっくの昔に飽きていたと思いますね」。

ダイバーの憧れの存在

多くのダイバーたちの憧れと言われるマンタ。その理由とは。
「マンタは凄い!マンタに会うと感動する!ダイバーなら1度はマンタに会わなきゃ!といった、メディアからの影響が大きいと考えます。いつどこに行けば会えるかという情報も、今では簡単に入手できるようになりました。実際のところ、シーズンをばっちり合わせて石垣島に来れば、マンタに会うのは意外と簡単です。そういう意味でダイバーにとって、“手の届きやすい憧れ”なのではないでしょうか。だからと言って、一度会ったからもういいや、ではなく、何度も何度もマンタに会いに石垣島へ遊びに来てもらいたいですね。マンタには何度も会いたくなる魅力があります。マンタガイドとして、1人でも多くのダイバーにその魅力を伝えるのが僕の使命だと考えています」。

人間とマンタの意外な共通点

「もちろん人類と魚類の違いはありますが、違いよりも“共通”を感じます。例えば、1日の時間軸について。石垣島のマンタポイント・川平石崎にマンタが集まり始める時刻は、朝10時頃が多いように感じます。そして夕方になると、川平石崎を去っていきます。しっかり調査したわけではないので正確ではありませんが、だいたい16~17時くらいになるといなくなります」。
多少の誤差はあるものの、人間でいう出社・退社時間と同じ、と考えると面白い。
「時々、もっと早い時間から来ているマンタもいて、そんな時は、『あっ、今日は早出勤なんだな…』なんて勝手に想像したりしています。ただ人間と決定的に違うのは、深夜まで残業していくマンタはほぼいないということですかね(笑)。あと、季節的な側面から見ても、人間と共通する部分を感じます。人間の場合、夏は海へ、冬は雪山へという一般的な行動パターンがありますよね。それと同じで、マンタも春夏秋冬で出現する場所がある程度決まっています。だから、その場所へ行けばマンタに会えるというわけです」。
そんな共通点が多いのも、人間がマンタに惹かれる理由の一つかもしれない。

驚くべきマンタの生態

「友人から慶良間諸島で、とあるマンタを見たという報告があった3ヶ月後に、このマンタが石垣島の川平石崎に出現したんです。以前から、3~4年に1回のペースで、石垣島と慶良間諸島を行き来しているという情報は聞いていたのですが、実際に会うのは初めてで、この時は鳥肌が立つほどの驚きと感動を覚えました」。
石垣島と慶良間諸島という約400km離れた距離を泳いで行き来する、その行動範囲は驚きである。

13歳の時にその後の人生の目標を見つけ、今もなお毎日のようにその姿を追い求める市川氏を持ってしても、まだまだ謎の深い存在であるマンタ。未知なる部分があるからこそ、人はそこに惹かれ、魅力に思うのだろう。時を漂うかのように、海中を悠々と泳ぐその姿は、まるで時間という終わりなき旅をしているかのようだ。今回マンタのことを少しでも知ったことで、さらにOCEANUSの“Manta”にも愛着を持ってもらえたら嬉しいと思う。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masanori Ichikawa (マンタ写真提供 Beach Life Ishigaki)

市川正典氏 (ビーチライフ石垣島・代表)

13歳、父親と一緒にライセンス取得。中高生時代は時々潜る程度出会ったが、大学4年の時、ダイビングガイドになることを決意。卒業後、旅行で4回通った与那国島のダイビングショップに就職。29歳で石垣島に移住。川平地区のショップで5年間勤務をした後、34歳の時、ダイビングショップ「ビーチライフ石垣島」を設立。ダイビング歴33年、ガイド歴21年、トータルダイブ本数15000本以上。「It’s a Mantaful World!」月刊ダイバーにて連載中。
ビーチライフ石垣島 オフィシャルサイト