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BLUE MOTIONS2nd Anniversary issue
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次代への旅

Gadget Cat from the Future “Doraemon”

『ドラえもん』に 描かれた未来、 そして“今”

パソコンやインターネットに代表されるIT(情報通信技術)は21世紀に入り、スマートフォンやソーシャルメディアの登場とともに著しい進化を遂げ、さらに今ではAI(人工知能)、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、IoT(モノのインターネット)といった最先端テクノロジーが、もの凄いスピードで我々の生活圏にまで入り込んできている。果たして、こんな時代が来るとは、一体誰が想像できたことであろう。しかし、そんな“未来”をいち早く予見していたと思われる人物がいた。藤子・F・不二雄氏。そう、『ドラえもん』の作者である。

実際に使用していたデスクの様子。ここから数々の名作が生まれていった。実際に使用していたデスクの様子。ここから数々の名作が生まれていった。

世界中で愛される理由

『ドラえもん』のことは今さら説明するまでもないと思うが、そのテレビアニメは世界50カ国以上で放送され、リオ五輪閉会式で放映された2020年東京オリンピックのPR映像にも登場するなど、日本を代表する「まんが」であり、「キャラクター」である。『ドラえもん』の最大の魅力は、やはり“ひみつ道具”の数々であろう。子供の頃、四次元ポケットから出てくる22世紀の“ひみつ道具”を見るたびに、いつの日か実際にこんな道具ができるのかな?と、胸を躍らせた記憶は誰にでも一度はあるはずだ。それが今ではどうだろう。例えば、“糸なし糸電話(=携帯電話)”や、頭にかぶると周りの景色が宇宙空間に見える“宇宙探検ごっこヘルメット(=AR)”など、現代ですでに実現化しているものが出てきているのだ。
このような夢のある“ひみつ道具”を描き続け、子供たちに想像できる形で“未来”を伝えてくれた、藤子・F・不二雄氏。あの頃の子供たちである我々が大人になり、その“未来”が近づいている“今”だからこそ、改めて藤子・F・不二雄氏の伝えたかった想いを知るために、神奈川県川崎市にある『藤子・F・不二雄ミュージアム』へと足を運び、お話を伺った。

季節により入れ替えられる原画。季節により入れ替えられる原画。

藤子・F・不二雄氏に出会える場所

生前残された原画などを通じて、作品世界やメッセージを幅広い世代に伝えていく美術館として誕生した、このミュージアム。
「藤子・F・不二雄先生が描いた原画を一堂に集め、“ファンの方々に見ていただく恩返しの場所を作りたい”という先生の奥様と藤子プロ社長伊藤氏の気持ちから、このプロジェクトが始まりました。候補地を地道に探し、検討に検討を重ねた結果、先生が一番長く住まわれていた川崎市の中でも新宿からのアクセスが良く、多くの方が立ち寄っていただける、この場所に決まったのです。先生は作品を通して環境問題にも関心を示していた方なので、これだけの自然が残っている生田緑地の風景を大切にして美術館を建設しました。“はらっぱ”のまわりなどは、先生の意思を継ぎ、倒木の恐れがあるもの以外はすべての木をそのまま残しています」。
奥様の想いは至る所に反映されており、子供だけでなく(当時子供であった)大人の鑑賞にも耐えうるようにこだわったそうで、来館者の7割が大人というのも納得である。

先生の趣味嗜好がわかるコレクション。その蔵書の数は、約1万冊。先生の趣味嗜好がわかるコレクション。その蔵書の数は、約1万冊。

ミュージアムの魅力とは

ここの収蔵庫には生涯描いた約5万枚の原画が大切に保管されており、もはや文化遺産といっても過言ではない。
「やはり原画を直接見ていただけるということですね。海外の方の中には“まんがの原稿がアートのように展示されていて面白い”という感想もいただきます。これもすべて、先生やご家族が今日まで描いた原稿を大切に保管していたからこそ可能になった展示方法なんです。それぞれが世界に一枚しかない原画の数々から、彩りや筆づかいをそのまま感じていただけるというのは本当に貴重です」。
自らが生み出したものを大切にすること。もしかしたら、未来という次代に繋げなくてはいけないという使命からの行動だったのかもしれない。その結果として、世代を超えて楽しむことができる世界を我々に残してくれたのであろう。

またこちらでは現在、「キテレツ大百科×ドラえもん ~江戸時代の発明と未来のひみつ道具~」と題した原画による企画展も開催中。『キテレツ大百科』に登場する江戸時代の天才キテレツ斎が「奇天烈大百科」に書き残した過去の“発明品”と、それに類似する『ドラえもん』の“ひみつ道具”や物語を並べて紹介。過去と未来という時空を超えた発明に、現代を照らし合わせて見るのも面白いのではないだろうか。きっとそこには、SFをS(すこし)、F(ふしぎ)と定義し、こだわり続けた藤子・F・不二雄氏の想いが感じられることであろう。

キテレツ大百科とドラえもんの原画を同時に見れる、またとない機会。キテレツ大百科とドラえもんの原画を同時に見れる、またとない機会。

『ドラえもん』の世界に登場する、時計を用いた“ひみつ道具”には時空を操作する、言わば相対性理論に関わるものが多く、実現化はまだまだ遠い先のことかもしれない。しかしOCEANUSは昨年10月のBluetooth®搭載GPS電波ソーラーの誕生により、地球上のあらゆる場所で、何もしなくても、常に正確な時刻を刻むという、“絶対精度・フルオート”への第一歩を歩み始めた。その一歩は、21世紀を代表するアナログ時計として、確実に未来へと近づいている。そしてそれを実現させたとき、次なる目標として“ひみつ道具”にあることを目指す日が来るかもしれない。OCEANUSには、そのくらいのロマンがあってもいいだろう。そう、いつの日か、それが当たり前の“今”が来るように。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao

川崎市 藤子・F・不二雄 ミュージアム

所在地:神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
開館時間:10:00~18:00
休館日:火曜、年末年始
入館時間:日時指定の予約制 入館時間は1日4回(入れ替え制ではありません)
(1)入館指定時間 10:00~10:30 (2)入館指定時間 12:00~12:30
(3)入館指定時間 14:00~14:30 (4)入館指定時間 16:00~16:30
入館料:大人・大学生 1,000円、高校・中学生 700円、子ども(4歳以上)500円
※3歳以下は無料 ※上記料金はすべて税込 ※チケット購入方法は公式ウェブサイトをご確認ください
お問い合わせ:0570-055-245(9:30~18:00)
公式ウェブサイト

企画展

「キテレツ大百科×ドラえもん ~江戸時代の発明と未来のひみつ道具~」
期間:前期 2018年1月25日~7月2日(予定) / 後期 2018年7月7日~2019年1月15日(予定)
場所:「藤子・F・不二雄ミュージアム」 展示室II
©Fujiko-Pro