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魂を吹き込み、究極を仕上げる
<松徳硝子>の“うすはり”グラス

魂を吹き込み、究極を仕上げる
<松徳硝子>の“うすはり”グラス

大正11年。当時舟での運搬が主流であった水路のほど近く、墨田区錦糸に電球用ガラスの生産工場として創業された、硝子食器メーカー<松徳硝子>。製造業の主流が人間による手作業から機械へと移行するなど、度重なる時代の変化を乗り越えながら、“下請け仕事”を通じ、試行錯誤を繰り返す職人達のたゆまぬ努力の結果、原点である電球製造で培った薄吹きの技術に磨きをかけた名器“うすはり”グラスが平成元年に誕生した。

職人の手仕事だからこそ成せる技

唇がグラスに触れた時の異物感をいかに少なくし、本来お酒が持つ美味しさや純粋な色味を楽しめるよう作られた“うすはり”。一度は聞いたことや、実際に触れた人も多いのではないだろうか。その究極とも言うべき薄さと透明度には、全ての工程を職人の手仕事でこなさなくては辿り着けない境地が存在すると、同社クリエイティブディレクターの齊藤能史氏は言う。
「例えば料理の世界で話をすると、レシピがあるからといって一流の料理人になれるわけではないのと一緒で、硝子職人としての基礎を身につけてからは、各製品の決まった規格に近づけるために必要な感覚を磨き、繰り返し完成させることが出来るかが重要になってきます」。

うすはりに命を吹き込む“吹き”の工程。

作品を作っているわけではなく、製品を作っているという自負の中で仕事をしているのだからこそ、10個並べたら10個同じものであることが理想となってくる。そこがアーティストではなく、職人としてのこだわりなのであろう。
「腕のいい職人というのは、安定感のあるクオリティで数を作れるのが、自然と条件になってきますよね。努力して当たり前、加えてセンスが必要。だからこそ、何年やったから一人前というわけでもないんです」。
たとえ、数十年吹き続けてきた職人であっても、時には感覚の優れた若手に劣る場合も出てくる厳しい世界。求められたことに対し、いかに正確な答えを出すかが勝負なのである。

ベルトコンベヤーで、一時間以上かけてゆっくりと熱を冷ます“除冷”。

職人集団であり続ける自負

硝子製品の製造と聞くと、“吹き”の作業が頭に浮かぶが、実は形となった物を仕上げる作業というのも同じように重要な工程であるという。
「吹くのも難しいのですが、それを仕上げていくという技術があって初めて実用品としての価値が生まれるんです。ですから、硝子を溶かす職人、吹きの職人、製品として仕上げる職人と、部門ごとのエキスパートを育てていくことが、今後のために会社としてもの凄く重要なことなんだと思います。全員が製造者であり検査員でもあるのが一つの理想です。結局、工場としての稼働時間は決まってしまっているので、その限られた時間の中でいかに多くの製品を作り上げていくかが勝負なわけです」。

熟練の職人が感覚のみで行う仕上げの工程。

硝子製品としての薄さに挑戦し、そのグラスに注がれた飲み物の色までもより美しく楽しむために繰り返されるその努力は、出来ないなら「仕方がない」と諦めるのではなく、「どうにかしたい」という情熱が進化という形となり、今ではビールCMや広告で使われるまでになった、“うすはり”という名器の完成につながったのであろう。

厳しい条件や規格の中で勝負し続ける齊藤氏の目には、OCEANUSの物作りはどのように映ったのだろうか。
「他のメーカーの腕時計にはない技術はもちろんなのですが、それに加えた造形美や機能美をここまで出した苦労が、手に取るように伝わりますね」。

一つの物を完成させる苦労を知っている者は、製品が出すオーラだけでその裏にある壮大なストーリーを感じとることが出来る。OCEANUSもまた、まだ見ぬゴールを目指して、日々進化し続けていくことであろう。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao

松徳硝子 [しょうとくがらす]

大正11年創業。一口ビールグラスや、松徳硝子の原点である電球、そして、これまで作り上げた数千種類にも及ぶガラス器製造のノウハウを元に、長期間に渡り、更なる品質の向上、製品イメージの図案化、技術研究開発を繰り返し、代表作「うすはり」が完成。ビール・お酒・飲み物を「より美味しく飲むことが出来るグラス」として、高い評価を得ている。

東京都墨田区錦糸4-10-4

電話03-3625-3511 FAX.03-3625-0083

ウェブサイト

※生産工場の為、オンラインショップ以外で、常時小売は行っておりません。

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