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江戸から続く“藍”を守る
<藍染工房 壷草苑>を訪ねる

江戸から続く“藍”を守る
<藍染工房 壷草苑>を訪ねる

その小さな工房は東京の西、青梅にある。青梅は古くは織物の産地として知られ数多くの機屋が存在したという。中でも青梅嶋と呼ばれる特別な反物は、江戸時代に贅沢を禁じられていた豪商や遊び人が、綿の藍染に密かに絹を忍ばせるという粋な遊び心でたいそう人気があったそうだ。その後、粗製乱造で影を潜めていた青梅嶋を何年もの試行錯誤を繰り返し復活させたのが、この<藍染工房 壺草苑 -あいぞめこうぼう こそうえん>だ。その基本となるのは、もちろん古から続く本物の藍染。

「天然藍灰汁醗酵建て」とは

ここ壺草苑では、古来より伝わる天然藍灰汁醗酵建てというまさに伝統そのものの手法で藍染を行っている。これは、藍染の原料である藍(蒅=すくも)を十分に醗酵させるため、灰汁、石灰、日本酒、ふすま(小麦の外皮)などを使い、ゆっくりと藍を醗酵させていくという大変に手間のかかる手法だ。染められるような状態になった藍の染料も毎日注意深く見守り、日本酒を加えるなど養生を行い育てるのだという。

工房長の村田さんはかく語る。
「藍は生き物です。まず、品質の良い徳島産の藍を手に入れ、それをゆっくりと育てます。水、木灰で灰汁を作り、石灰、ふすまなどを使って育てます。藍は生き物だという気持ちで、毎日向き合うことです」。
上質な藍の生産地である徳島でも、年々生産量は減り続けているという。徳島の藍生産者も5人しかおらず(うち4人は無形文化財!)、後継者問題を抱えていることだろう。本藍、正藍と呼ばれ市場に出ている多くは、藍を使いつつも科学的な染料(インディゴなど)も使う純粋な古来の藍染とは異なる製品も多いのだという。

天然藍こそが“ジャパンブルー”となる

さて、その純粋な天然藍を使い、ゆっくりと染められる生地たちは特別の仕上がりとなる。元来、藍は殺菌効果や防虫効果、UVカットなどの効果があるとされている。しかも、この天然藍灰汁醗酵建てで染め上げられた藍染の布は強度も増すそうだ。そして何よりもその発色の見事さ!青とも紺とも呼ばれる色以上に透明感と複雑な表情を持つ藍の色は、“ジャパンブルー”とも呼ばれ、世界で驚嘆の面持ちで評価され続けている。

藍染を30年近く続けている工房長の村田さんにOCEANUSを見てもらった。
「この透明感のあるブルーは藍の持つ透明感に相通じるものがありますね」。
その一言から、ジャパンブルーを身にまとうというOCEANUSの存在意義の一つは十分に叶えられるということになりはしないか。染め上がった藍染の布たちがはためく工房を後にしながら、取材チームは“藍”の奥深さを実感していた。

Text: Y.Nag | Photography: Masashi Nagao

藍染工房 壺草苑
[あいぞめこうぼう こそうえん]

〒198-0052 東京都青梅市長淵8丁目200

tel 0428-24-8121

fax 0428-22-4069

営業時間10:00〜18:00
定休日 火曜日/年末年始

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