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一生を掛けて付き合う“趣味”を持つ
クレイジーケンバンド横山剣氏に倣う、その意味とは

一生を掛けて付き合う“趣味”を持つ
クレイジーケンバンド横山剣氏に倣う、その意味とは

ふと、自らに問いかけてみる。一生涯付き合っていける趣味を持ち合わせているだろうかと。きっと多くの方は考えるまでもなく、“NO”という答えにたどり着くのではないだろうか。多種多様な物事が存在する現代の中から、パートナーとも言うべき一つを見つけるのは至難の技かもしれない。しかし、幸運にもその趣味に幼き頃より出会い、情熱枯れる事なく今に至る方も存在する。クレイジーケンバンドの横山剣氏だ。音楽と車。確実に共鳴し合う軸を持つ事は人生にどう影響するのかを、自らの経験をもとにお話いただいた。

「幼少期の頃から車には反応していましたが、はっきり好きだなと自覚したのは僕が6歳の時になります。当時、テアトル東京で観た『グラン・プリ』という“ジェームズ・ガーナー”主演の映画がありまして、その映画内に映し出されたフォーミュラ1の影響で、モータースポーツというものに惹かれていきました。正直な話、ストーリーというよりも、マシーンが発するエキゾーストノートや、今と違い事故を起こしたら確実に死が待っているギリギリ感、そしてスタート前にレーサーが見せる哀愁を帯びた表情などに男のロマンを感じていました。子供ながらに哀しみを帯びたものに惹かれていたんだと思います」。

横山剣氏と愛車の1956年式オースチン・ヒーレー100/4 BN2

小学生時代に出会った、車に対する強い憧れ

当時の愛車1965年式フォード・マスタング(クレイジーケンバンドの名曲『ガールフレンド』のPVでも使用)

「数多くの僕の車変遷の中でも、幾つか印象に残っている車があります。一台目は、小学校を休んだ時に観た『男と女』という映画に出てくるフォード・マスタング。とにかくデザインが色っぽく見えて、やはりストーリーでも俳優でも女優でもなく、この車に惹かれていました。20代後半にこのマスタングを手にしたのですが、これがとんでもない代物でして、すぐに手放しました (笑)。そのあと、42歳の時にもう一度購入の機会に恵まれて遂に手に入れた訳です。通常僕は、2、3年ですぐ次の車に乗り換えてしまうのですが、幼き頃から夢見続けた一台だけに約10年乗り続けました。

そしてもう一台は、いすゞのベレット1600GTという車です。クレイジーケンバンドの曲のタイトルにもそのままなっている位、好きな車でした。当時、船橋サーキットで開催されていたクラブマンレースで強烈な印象を受けたのをよく憶えています。普段、街中を走っている車がサーキットを走行している事が、すごく格好良く僕の目に映たんでしょうね。車が持つシルエット自体が、すでにメッセージになっているというか」。

1960年代というのはジャズとモータースポーツが密接に寄り添っていた時代だと、横山剣氏は語る。その言葉通り、自身の音楽性にはどのような影響を与えたのだろうか。
「僕は小学生の頃から、作曲家とカーデザイナーになりたかったんです。自ら車のデザインをし、そのCM音楽はこういうので、さらにキャスティングは、みたいな感じで、かなりしっかりとしたイメージというか妄想を固めていた程ですから。それ位、僕にとっては、車と音楽というのは切っても切り離せない密接な関係なのです。正直なところは、どっちも趣味なんですけど」。

一生を掛けて付き合い、趣味として成熟させていく

「やはりそのような趣味が有ると無いとでは、人生が大きく違ってくると思います。というのは、僕にとってのスタンダードであるビンテージカーは、音楽をやっていく上でも確実に太い芯として、そこに存在しているからです。先程も言ったように、車によっては曲のタイトルにもしてしまう位なので。例えば、先日参加させていただいた “La Festa Primavera” にも、僕がまだ若かりし頃に活躍していたレーサーの方が出場していたりするんです。きっと昔は怖くて近寄れなかったであろう方が、一周りして優しくもなり、いい意味でチャーミングになっているわけです。僕としては、自分が目指していた大人の文化に間に合ったのですから、すごくラッキーですよね。それが、僕にとっての一生付き合う趣味を持つという事だと思います。普通は思い出で終わってしまうのが、その瞬間瞬間に最新型でいる事で広がっていくのですから」。

一生を掛けて付き合える趣味を持つという事は、同時に自分自身も成長し続けるという事なのかもしれない。そして遊び心を持ち続ける事で、若い頃の自分が憧れていた、格好の良い大人へと近づける近道であると横山剣氏のお話を聞いて強く感じた。皆さんも見つけてみてはどうだろうか、自分が理想とするジェントルマンに近づくためにも。

Text: Tatsuya Nakamura | Photography: Masashi Nagao

横山剣(CRAZY KEN BAND)

東洋一のサウンド・マシーン”クレイジーケンバンド”のリーダー。
「音楽ジャンルからの解放」をモットーとする全方向型音楽を展開し、コンスタントな人気を獲得後も常に攻めの姿勢で活動中。
作曲家としては、堺正章、和田アキ子、SMAP、TOKIO等、数多くのアーティストに楽曲提供し、さらにm-flo、ライムスター、マイティ・クラウン・ファミリーなど、ジャンルの壁を超越したコラボレーションを実現するなど、その音楽活動は多岐にわたる。
今年は横山剣の作家デビュー35周年を記念し、数々のアーティストに提供した横山の楽曲をクレイジーケンバンドでセルフカヴァーし、オリジナル曲も含めた内容で夏にリリースを予定している。
オフィシャルサイト

ツアー情報

■CRAZY KEN BAND TOUR 香港的士 2016■初夏
6月12日(日)赤坂BLITZ
6月13日(月)神戸チキンジョージ
6月15日(水)なんばHatch
6月16日(木)名古屋クラブダイアモンドホール
6月24日(金)CLUB CITTA'
公演詳細

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